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特集 脊髄損傷とリハビリテーション工学
移動システム―脊髄損傷者の自動車運転シミュレーション
Transportation System: Driving Car Simulation of Spinal Cord Injured Patient.
土嶋 政宏
1
Masahiro Tsuchijima
1
1名古屋市総合リハビリテーションセンター
1Department of Occupational Therapy, Nagoya City Rehabilitation Center
キーワード:
脊髄損傷
,
移動交通機関
,
運転操作分析
Keyword:
脊髄損傷
,
移動交通機関
,
運転操作分析
pp.487-492
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107091
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はじめに
脊髄損傷者の社会生活を自立へと導くには,移動の問題が最も関心の深いところであり,リハビリテーション・ゴール達成の中心といっても過言ではない.しかし,我々が日常の生活を営む中で,周囲の環境状態を思い浮かべると,車椅子を使用する際に階段や道路の段差から一般公共交通機関の利用など,障害者の移動システムに関して住環境整備の不具が問題となっている.それだけに,これらの障害者が移動困難となる場面も数多くみられ,積極的な社会参加を妨げている.特に四肢麻痺を有する頸髄損傷のような重度障害者が自力にて屋外などに出かける場合に,近距離用としては電動車椅子の使用が多くなってきているが,バッテリーの充電など毎日のメンテナンスが大変だったり,スピードや走行安定性などの問題から屋外移動機器として障害者のニーズを満足できうる対応機器とはなりえていない.
移動機器の使用目的も多様化してきており,通院や通学はもとより,スポーツやレジャー,それに旅行など幅の広い範囲に及んでいる.とりわけ一般公共交通機関の使用が困難な障害者の遠距離移動手段として自動車の運転が欠かせないものとなっている.
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