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特集 障害者ドライビング
障害者ドライビング周辺の法知識
Legislative Considerations Concerning Driving by the Disabled Persons
畑中 伸三
1
Shinzo HATANAKA
1
1東京都身障運転者協会
1The Tokyo Physically Handicapped Driver's Association.
pp.359-368
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103336
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Ⅰ.不自由から自由へ
我々が身体の不自由を感じた時,のりこえなければならない幾つかの障壁がある.即ちそれは「物理的」(建物や街の構造,および交通機関の利用.)そして,その「制度的」(法律や,しくみ)面の障壁である.数年前までは障害者はあまり移動せず一定の場所に留まっているべきだと,一般的に思われていた.しかし,そうした風潮のなかで多くの障害者は「もし人間の価値が平等であるという基本的原則が認められるならば“いつでも自由にいきたいところへいけるようになりたい.”という熱い思いを抱かずにはおられなかった.身体障害者の自立生活,社会参加を促進するには,移動の問題は極めて重要である.しかし,移動に関して次のような問題がある.移動能力をある程度備えた障害者であっても,自分自身の努力でその街の構造に適応し,危険な道路等に馴れなければならない.自力による歩行や補助具等に頼りながらある場所からある場所へ,戸口から戸口への歩行ができたとしても,一般の交通システムを利用しなければならないのだが,階段がいっぱいの駅構内,ホームと電車との段差は,一歩足を踏み誤えば大ケガにつながりかねない.また,繁華街の雑踏など軽度の障害者であっても大変動きにくいところである.ましてや車椅子利用者には絶望的である.
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