プラクティカル・メモ
身体障害者用自動車の改造Ⅲ―自動車移乗用補助装置の開発
土嶋 政宏
1
,
田中 理
2
,
伊藤 利之
3
,
福田 正健
4
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
2神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション工学
3横浜市リハビリテーションセンター準備室
4日産プリンス自販特殊車課
pp.208-210
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103064
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1.はじめに
これまで,車椅子の格納装置や水平ステアリングおよび足操作スイッチ類の開発を続け,進めてきたことによって,現状では不可能とされていた障害レベル者までの適応が広がってきた.
すでに自動車運転な必要とする障害者数の増加につれて,手動式や足動式によるハンドルの旋回,それにアクセル・ブレーキ操作用の運転補助装置類については,大手自動車メーカーが製品化するまでに至ってきている.しかし,車椅子使用者に対する一般乗用者レベルで自力で行える自動車移動・乗降用補助装置は,電動リフト方式が主で,それ以外での開発がほとんどなされていない.また,電動リフトを使用した乗用車にしても,後方乗降でワンボックス式となり運転席への移動能力を必要とする.それに,これから運転免許を取得しようとする障害者にとって,自動車の重量制限や検定時の運転操作面で非常に不利となる.
現在,トランスファー・ボードで乗降のみ介助を必要としている頸髄損傷者などに対しては,もっと簡単で安価な装置の適応で可能となる.そこで,自動車と車椅子間の移乗をより容易にするため,自動車移乗用補助バーや運転座席シート自体を横スライドし回転機構を付加した補助装置を日産プリンス自販・フジオートおよび大利根(ニッシンに改名)自工などの協力により開発を進めてきた.
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