プラクティカル・メモ
身体障害者用自動車の改造―車椅子格納装置の開発
土嶋 政宏
1
,
田中 理
2
,
福田 正健
3
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
2神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション工学
3日産プリンス自販特殊車課
pp.349-351
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102861
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1.はじめに
身体障害者にとって,自動車の運転が通勤,通学,通院などの移動手段として生活範囲を拡大していくために必要不可欠なものとなっている.そして,これまでに運転免許を取得している障害者数は全国で約11万人にも及んでいる.また,最近ではより重度な障害を有するレベル者にまで自動車運転への要求が高まっており,その適応にも対処しなければならない段階にきている.それに伴い作業療法分野での自動車改造,自動車と車椅子間の乗降,車椅子の積み込みなどに対するアプローチも年年増加している.特に,四肢までの障害を有する頸髄損傷者においては,自動車運転操作以上に自動車と車椅子間の乗降や車椅子積み込み動作が切実な問題となっている.現在,自動車の運転操作において,C6Bレベルの機能があれば手動式補助装置と装具式ハンドル旋回装置の普及により可能となってきているが,自動車と車椅子間の乗降はトランスファー・ボードなどの使用により,5~6分を要しやっとの状態であり,車椅子の積み込みは,そのほとんどが不可能である.そこで,C6機能レベル者でも介助を必要とせずスイッチ操作1つによりこれらの動作が自立するように日産プリンス自販やフジオートと協力し開発を進めてきた.
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