連載 移動支援機器・用具
自動車乗降用装置
松尾 清美
1
1佐賀大学医学部附属地域医療科学教育研究センター福祉健康科学(生活行動支援)部門
キーワード:
自動車乗降装置
,
社会参加
,
移動
Keyword:
自動車乗降装置
,
社会参加
,
移動
pp.400-402
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101231
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はじめに
下肢や体幹あるいは視力に問題のない者にとっては,公共交通機関の車輌や交通網の発達で,目的の場所へいくための所要時間は短くなり,快適性も向上してきた.しかし,移動するために車いすや杖を必要とする下肢障害者や高齢者,視覚障害者にとっては,公共交通機関の建築物や車輌などに段差や隙間が多く,また視覚障害者にとっては案内も不十分なため,つまずきや転倒,転落などの事故が発生している.このように,公共交通機関を安心し,自立して使用できない人々がいるのである.この問題に対し,バリアフリー法が施行され環境整備が図られているが,まだまだ設備が不十分なところが多く,誰でも何時でもどこでも自由に利用できる環境とは言いがたい.このような現状を反映して,身体に障害のある人のなかで活動的な人々は,自家用車や移送サービス,あるいはタクシーを利用して,移動手段を確保し,社会参加を実現している.ここでは,身体障害者や高齢者用として,近年開発され実用化されたものを中心に,今号では自動車乗降装置について,次号で運転装置について記述する.
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