The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 18, Issue 10
(October 1984)
Japanese
English
講座
社会リハビリテーション 4.障害者と自立生活運動
Social Aspects of Rehabilitation Practices 4. Disabled Peoples and Independent Living Movement
三ツ木 任一
1
Tadakazu MITSUGI
1
1東京都心身障害者福祉センター
1Vocational Rehabilitation Section, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center for the Physically and Mentally Handicapped.
pp.731-736
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103191
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はじめに
自立生活(Independent Living,IL)運動は,1960年代に端を発し,1970年代にめざましい進展を遂げた,アメリカの重度障害者によるソーシャル・アクションである.
その目的とするところは,職業的自立が困難な重度障害者が,家族や施設の職員に依存した生活から脱却し,地域社会の中で自らの意志と責任において生活していける条件を獲得していくことである.
アメリカのIL運動の事情は,1977年以降,丸山1),小島2)らによって紹介された.1981年の国際障害者年をめぐって,IL運動についての関心が高まり,障害者,関係者の間で多くの論議を呼んだ.
1983年3月 ジュディ・ヒューマン,マイケル・ウインターらアメリカのIL運動の指導者7名を招請して,「日米障害者自立生活セミナー」が東京,神奈川,愛知,大阪,京都,福岡で開催された.それぞれの都市で,障害者を中軸とした実行委員会が設置され,事前セミナーの開催,資料集,報告書の刊行を含めた精力的なとりくみがなされた3,4).
一方,わが国の障害者運動の展開の中にも,アメリカのIL運動に比肩する先駆的な実践が認められる.
年金制度の改革を中心とした障害者生活保障確立の好機にあたり,日米両国の障害者IL運動を概観してみたい.
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