The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 18, Issue 10
(October 1984)
Japanese
English
講座
心理学シリーズⅡ 知覚と認知 4.知覚学習の理論
Psychology Series Ⅱ. Perception and Cognition. 4. Theories of Perceptual Learning
鳥居 修晃
1
Shuko TORH
1
1東京大学教養学部
1The College of Arts and Sciences, The University of Tokyo.
pp.717-722
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103186
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Ⅰ.網膜像の発見
眼の構造やその機能に関する初期の書物は紀元前10世紀頃にすでに書かれているといわれている.しかし,角膜,強膜,虹彩,網膜,水晶体などの眼球の各部位が知られるようになったのはギリシャ時代にはいってからのことである.ガレン(Galen)は動物の眼を観察することによって,これらの部位に関するほぼ正しい知識に当時すでに到達していたと伝えられている.
とはいえ,これらの各部位が眼球内のどこに位置し,またどのような機能をもっているのかという点になると,ギリシャ時代にはまだいくつかの誤った解釈がみられる.例えば,水晶体は眼球の中央に位置すると考えられており,また,これは光を受容する器官(光受容器)であると信じられていた.今日では真の光受容器は網膜内にあるということが明らかになっているが,当時は,多くの血管がそこに分布しているとこるから,網膜は水晶体の栄養を司る器官ではないかとみられていた.
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