とびら
地域社会への道
伊藤 利之
1
1横浜市民生局総合リハビリテーションセンター建設準備室
pp.679
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103170
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私は学生時代に「セツルメント活動」に熱を入れていた.今から思えば,その理由は活動に対する純粋な気持だけではなかったように思うが,いくつもあるクラブの中から選んだ訳だから,それなりに興味があったのであろう.重度の障害児を抱えて苦しい生活をしていた家庭もあったし,アルコール中毒の御主人に悩まされ続けていた家庭もあり,その中から学生でも役立つことを見つけ出しては家庭訪問をしていた.しかし,“何かをしてやらねば”という気持が先行し,役立つことがないと虚しさを覚えたことも事実で,いつもこの点が議論の対象になっていたことを記憶している.
人間が「病気」や「障害」を克服して人間らしく生きること,それを援助するのが我々医療従事者の義務である.この認識に異論はあるまい.
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