本の紹介
「リハビリテーション技術全書」(改訂第2版)―服部一郎・細川忠義・和才嘉昭著
高橋 正明
1
1北海道大学医療技術短期大学部
pp.685
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103172
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本書は理学療法士,作業療法士であれば誰もが一度は手にしたことがある我が国の代表的なリハビリテーション技術書である.1974年の初版以来実に9刷まで重ねられ,本年第2版が出版された.その10年間に我が国のリハビリテーション治療概念,技術,分野等は目覚ましく進歩し,多くの論文や書物が出版され,本書の利用価値が低下してきたことは否めない項実であった.ところが第2版では新たに失認・失行等の高次中枢機能障害に対するアプローチ,極低温療法,バイオフィードバック療法,サイベックス,乳房切除と振動病に対する治療アプローチ等が加わり,各種資料,参考文献の追補,細かい点での加筆により,その変化が忠実かつ的確に記載されている.旧版と比較して読むと10年の歩みがわかり興味が尽きないのである.そして第11部第3章片麻痺は大幅に加筆されており,学術的内容も多く,片麻痺を専門としている療法士にも大いに役立つと思われる.
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