プログレス
癌研究の最前線
太田 邦夫
1
1東京都老人総合研究所
pp.665
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103164
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既に最前線から退いた者が,最前線の話をするのも,少々おかしいことかも知れないが,ひょっとすると最前線は少し後に下った場合に,よく見えるものかも知れないと思い,筆をとった.
ポリオ(急性脊髄前角灰白炎)という病と人類との闘いの歴史を考えていただきたいのであるが,この問題に対する医学の目標は,まず被害者を生き残らせること,生残った患者に対しては失われた機能を恢復させること,恢復させられない場合は補助器具で,たとえ最少限度でもあれADLな補足することであった,この病はしかし免疫学的予防法によって被害を出さないこと,病原ウイルスを消滅に追いこむことに成功した.原因を根こそぎにすることが,研究目標の第一にあることは,医学のすべての分野で研究者が目指しているところである.
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