COPD治療の新時代 21世紀の「社会的」生活習慣病 COPDトピックス
COPDの遺伝研究の最前線
檜澤 伸之
1
1筑波大学 医学医療系呼吸器内科
キーワード:
表現型
,
遺伝的素因(疾患)
,
Iron Regulatory Protein 2
,
肺疾患-慢性閉塞性
,
ゲノムワイド関連解析
,
Nicotinic Receptor Subunit Alpha3
,
CHRNA5 Protein
,
HHIP Protein
,
FAM13A Protein
Keyword:
Phenotype
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
,
Iron Regulatory Protein 2
,
Genome-Wide Association Study
,
Nicotinic Receptor Subunit Alpha3
,
HHIP Protein, Human
,
CHRNA5 Protein, Human
,
FAM13A Protein, Human
pp.241-244
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014069710
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COPDは1秒率の低下によって定義される慢性炎症性肺疾患である.肺気腫や慢性気管支炎,喘息の合併とそれらの程度,急性増悪の頻度や心不全などの全身併存症の有無は同程度の気流閉塞を有する患者間でも大きく異なり,その臨床像はきわめて多彩である.これまでの複数のGWAS(ゲノムワイド関連研究)の結果から,少なくともCHRNA3/CHRNA5/IREB2,HHIP,FAM13A,CYP2A6の4つの遺伝子領域がCOPDの発症に重要な役割を果たしていることが判明した.今後は,CT画像やバイオマーカーによる評価も含めたフェノタイプに基づいた遺伝子解析が重要になってくる.個々のフェノタイプにおける遺伝因子の役割が明らかになることによって,分子病態の多様性を考慮した診断や治療に向けた展望が開かれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2014