Japanese
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研究と報告
ボール把持動作のリーチ機能の時間的効率
Motion-Time Study for Work Efficiency between Direction of Hand Movement and Traveling Distance of the Hand
灰田 信英
1
Nobuhide HAIDA
1
1金沢大学医療技術短期大学部
1School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
pp.43-47
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103014
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Ⅰ.はじめに
作業を行うに際し,最小限の努力で最大の効果を上げるために作業域を測定することは,日常生活動作や作業設計を行う上から重要である.
手の到達範囲という意味での作業域に関して知久ら(1977)1)は健常人,中村(1972)2),Selwyn(1976)3)は身障者の最大作業域と正常作業域を測定し,最適な作業域を定義している.
一方,作業域内での特性についてBarnes(1968)4)は60°方向,大島(1976)5)は30°方向,内村(1965)6)は正面方向の作業が能率的であるとしている.このように作業能率からみた作業方向の条件に関して,いまだ諸家の意見の一致をみていない.
Gilbrethは手の動作分析手法として動作時間研究法を開発した.これは一つの作業を行う上に必要な要素動作と,その動作に要する時間を調べるものである7).
本研究ではこの手法を採用し,身障者の作業域の特性について検討することを目的とし,その基礎データ収集の一環として健常人について調べた.作業域の要因として作業方向と作業距離をとり上げ,これらの変化に伴う所要時間の変動を測定し,最適な作業域を明らかにする.また同時に作業の習熟効果についても合せて言及する.
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