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講座
障害学概論 1.障害学総論―障害の概念と構造を中心に
Studies of Impairments, Disabilities and Handicaps. 1. General Introduction & Concepts and Structure of Impairment, Disability and Handicap
上田 敏
1
Satoshi UEDA
1
1東京大学病院
1University of Tokyo Hospital.
pp.37-42
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103013
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はじめに
「障害学」とはわが国独自の概念であり,まだ適切な英訳も存在していない.しかしリハビリテーション医学とは目的において「復権の医学」であり,対象において「障害の医学」であるとすれば1),従来の医学では真正面から問題にされることがほとんどなかった「障害」を科学的に研究することがリハビリテーション医学の学問としての成立のためには絶対的に必要なはずであり,そのような学問を「障害学」と呼ぶのは極めて適切で,むしろ自然なことと思われる.実際的にもリハビリテーション医学はその前史時代(1920年代~40年代半ば)を含めた約60年間に,そして特にそれが独立の学問分科となった(1947年アメリカの専門医制の発足)時以来の最近の20~30年間に,すでに「障害学」と呼ばれるにふさわしい研究成果を着実に蓄積してきている.そして今やこれらの成果を整理しさえすれば,「障害学」の体系を,たとえ荒削りにせよ系統的に述べることが可能な時代に入ったといってよさそうである.この講座はそのような科学としての障害学を体系的に述べてみようとするほとんどはじめての試みである.
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