Japanese
English
綜説
臨床医学における意識障害の概念
Zur Psychopathologie der Bewusstseinstörungen in klinischem Sinne
新福 尚武
1
Nahotake Shinfuku
1
1烏取大学精神神経科
1Aus der Neuro-psychiatrische Klinik, Tottori Universität
pp.126-133
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901507
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意識に関する問題についての最近の研究は解剖学者,脳外科医による神経機構の検索,生理学者なかんずく電気生理学者による脳波の追求などが主となつているが,それら解剖学的,生理学的研究者に共通する意識あるいは意識障害の概念と,臨床医学とくに精神医学に通用しているそれらの概念とは本質において食い違つているところがあるようであり,関心の対象にもかなりの隔りがみられる。しかし,概念の不一致は精神医学自体の中にもあり,このためこの領域における意識,意識障害に関する記述も根本において混乱からまぬがれないように感じられる。このような事情が本障害の研究の発展に対して大きな妨げとなることは言うまでもないが,とくに人間の意識障害についての基礎医学者の理解を片よつたものにしているように感じられる。
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