プラクティカル・メモ
バケットシートを用いた車椅子の試作―体幹変形の増強予防を考慮して
米澤 久幸
1
,
近藤 敏彦
2
,
加藤 充子
3
1名古屋掖済会病院
2松本義肢製作所
3国立療養所静澄病院
pp.708-709
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102952
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はじめに
近年,脳性麻痺児に対する早期発見,早期治療の関心が高まり,理学療法にも色々な治療概念の導入が盛んである.一方,臨床の場では,寝たきりで四肢の変形が著明な重度心身障害児(者)に会うことは,今日でも少なくはない.中には,常時仰臥位にあり,特定の異常姿勢反射に支配された状態で,10年,20年を経ている患児もある.このような患児に対しては,訓練中だけでなく,日常生活の中でのアプローチが益々重要になってくるのだが,側彎や上・下肢の左右非対称的変形により,単なる座位は変形をより助長するものとなっている.
今回,このような患児に対して,変形の進行を予防し,全身調整訓練の目的で座位をとらせ,併せて,移動介助の手段として車椅子を工夫したので,症例とともに紹介する.
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