Japanese
English
実践講座 福祉用具の選定と適合・第3回
車椅子
The selection and adaptation of technical aids:wheel chairs for the elderly
太田 智之
1,2
,
宮本 晃
3
Tomoyuki Ota
1,2
,
Akira Miyamoto
3
1医療法人財団健和会補助器具センター
2首都大学東京大学院人間健康科学研究科
3株式会社ライフステップサービス
1Kenwakai Technical Aid Center
2Graduate School of Human Health Sciences, Tokyo Metropolitan University
3Life Step Service Ltd.
キーワード:
車椅子
,
高齢者
,
シーティング
,
身体寸法
Keyword:
車椅子
,
高齢者
,
シーティング
,
身体寸法
pp.855-862
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110627
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
介護保険による福祉用具レンタルが始まり15年が経過した.福祉用具のレンタルカタログには多くの品目が掲載され,調整機能が充実した車椅子も珍しくなくなった.高齢者に対するサービス資源は大幅に増加したが,その反面で車椅子の選定・適合に関しては,利用者の生活ニーズや身体的条件よりも業者や介護者の都合が優先されている現実もある.介護保険の対象となる高齢者は,骨関節疾患,虚血性疾患,呼吸器疾患をはじめとする障害を複数併せもつことが多く,より個別性の高い技術が求められている.しかし実際には,リハビリテーション医学的に必要と思われる選定・適合は追求されないまま放置されていることが多い1).
車椅子に身体を合わせ,見かけ上の安静が得られればそれでよしとする傾向は,利用者の自立がより困難となるだけではなく,生活不活発による廃用症候群,褥瘡や体幹の変形,誤嚥といった二次障害を招くリスクを高めることになるだろう.
本稿では対象を高齢者に絞り,介護保険で使用されることが多くなったモジュラー車椅子を中心としたシーティングについて,臨床現場における実践の様子を紹介する.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.