Japanese
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研究と報告
Duchenne型進行性筋ジストロフィー症の手指機能―FQテストによる検討
Hand Function in Patients with Duchenne Muscular Dystrophy: Results of FQ Testing
西村 敦
1
,
立野 勝彦
1
,
奈良 勲
1
Atsushi NISHIMURA
1
,
Katsuhiko TACHINO
1
,
Isao NARA
1
1金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科
1Division of Physical Therapy, School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
pp.271-276
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102841
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症は今なお根本的な治療法がないため,その自然経過を知り,進行する筋力減弱に基づく日常生活動作の障害推移を明らかにしておくことは,本症患者の残存筋を合理的に活用し,可能な限り長期にわたって生活機能を維持するという,医学的リハビリテーションの対策を講ずる上で有益といえる.体幹および下肢の支持・移動能力における障害の進行経過は,比較的明らかになっており,そのような経過を基礎として,ステージ(stages of disability)が考えられ,広く一般に採用されていることは周知のとおりである.しかし,上肢機能,特に手指機能の進行経過に照準を合わせ検討した報告はあまりみられない.
今回我々は,Duchenne型進行性筋ジストロフィー症(以下D.M.D.と略す)において,障害の進行が全経過を通じて極めて緩徐な筋群と言われている手指筋群の動作機能について,今田ら1,2)考案のFQ(Finger-Function Quotient)テストを実施し検討したので報告する.
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