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特集 義肢・装具ハンドブック
Ⅳ.体幹・下肢装具
短下肢装具・膝装具―機構・チェックアウト・訓練
Ankle Foot Orthosis, Knee Orthosis-Structure, Check out, and Training
山下 隆昭
1
,
村田 秀雄
1
,
神沢 信行
1
Takaaki YAMASHITA
1
,
Hideo MURATA
1
,
Nobuyuki KANZAWA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center.
pp.907-920
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101816
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I.はじめに
現代医学の技術を結集して最高の治療を施行したとしても,残念ながら現時点では何らかの障害を残さざるを得ない場合が多々あることは万人の認めるところである.そこでこの失った機能を補い,残存能力を最大限に発揮させる代償手段として,あるいはその起り得る障害を最少限に食い止めるための有力な治療手段として装具がある.ゆえにその理論,構造,適応を正しく理解していないと,かえって能力を低下させたり,障害の進行を大きくすることも十分考えられる.患者の能力の的確な評価,ニードの把握と各装具の特徴をよく理解した上で両者の結びつけをはかることが重要である(patient-orthosis matching).このことによって最適な装具の処方が考慮されなければならない.
従来より装具は金属が主体で重く,冷たく外観が悪いというイメージがつきまとっていた.しかも,他人の目を気にしやすい日本人の国民性,日本独特の生活様式の影響もあっていくら機能的に優れた装具を処方してもその装着率は少なくとも良好であったとは言い難い.近年,おくればせながら高分子化学の発達,義肢理論の応用,バイオメカニズムの導入などにより装具の究極の理想とされている,軽量であること,装着感がよいこと,耐久性があること,適合・調整および装着が容易であること,固定性・支持性がよいことなどの目的に道は遠いが徐々に近づきつつある.この様な現状をふまえつつ短下肢装具と膝装具について従来の装具と対比しながら新しい試みをできるだけ紹介したい.
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