プログレス
切断指再接着術の進歩
吉村 光生
1
1福井医科大学整形外科
pp.855
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102758
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切断指再接着術に対する関心が一般化して10年近くになる.この間,再接着術の手術手技,術後管理,適応などについて,機会あるごとに論議され,数段の進歩をとげてきた.再接着術を行える病院も著しく増加し,日本中どこで受傷しても,本手術を受けられるようになった.
切断指再接着術の成績を向上させるために,幅広い模索と創意工夫がなされてきた.たとえば,血管吻合に関してみると,吻合方法に種々の工夫がなされ,静脈移植の重要性も考慮され,人工血管や微小血管吻合器の研究開発も進んできた.静脈移植の多用の是非については意見の分れるところである.静脈移植を多用する人達は,挫滅の加わった血管は血栓形成をきたし易く,完全に健康なところまで切除し,積極的に静脈移植を行っている.
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