Japanese
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特集 障害者の性と結婚
脊損者の性機能と結婚問題
Sexual Function and Problems of Marriage in the Paraplegics and Tetraplegics
宮崎 一興
1
Kazuoki MIYAZAKI
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター神奈川リハビリテーション病院
1Kanagawa Rehabilitation Hospital.
pp.745-749
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102733
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はじめに
脊損者の医療とリハビリテーションが進歩し,社会復帰への流れが円滑になって来るに従って,病院や施設に長期滞在する脊損者が少なくなって来た.頸損者の一部を除くと,胸腰髄レベルの脊損者は車椅子生活者であることを除くと,頭脳的にも身体的にもほぼ正常人に近く,重度身体障害者とは言えないと考える人もある位である.
しかし,脊損者にとって完全な社会参加の一要素として欠かすことの出来ない,「性」や「結婚問題」になると,正常人とは異なる機能障害や悩みが厳しく存在する.
脊損者にとっても「性」とは,一人の異性との出逢いに始まり,愛しあい,結婚という形で共同生活を望む過程の中で,お互いの愛を確かめあう,幅広い意味でのスキンシップである.
このような幅広い異性間のスキンシップは,重要な機能の一部として「性行為」と「生殖」という機能を含んでいる.
「性」と「生殖」にかかわる生理機能は,当然のことながら女性側の問題と男性側の問題が存在する.そこで,脊損者にまつわる「性」と「生殖」の問題の中で,医学的に分っていること,あるいは医学的援助のなしうる限界について,男性側と女性側の問題に分けて記述することとする.
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