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特集 脳卒中
脳卒中の手術と残存機能
Surgical Treatment of Apoplexia and Postoperative Performance Status
畠中 坦
1
Hiroshi HATANAKA
1
1帝京大学医学部脳神経外科
1Teikyo University Hospital, Department of Neurosurgery.
pp.601-609
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102692
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はじめに
脳卒中とは脳が卒然(そつぜん)と中(あた)るという意味である.脳卒中の中には脳出血ばかりでなく脳血栓や脳塞栓のように血管がつまるものも含まれる.当然これらの病気は,重篤なときには速やかに死をもたらし,あるいは無事回復しても何らかの後遺症をもたらすことが多い.
昔は脳卒中の治療といえば内科的治療のみであったが,今日では脳卒中のうち出血はもちろんのこと,血栓・塞栓にも脳外科的治療が多く行われるようになり,CT(コンピューター断層X線装置)の普及とともに脳卒中の治療は脳外科医の仕事の大きな一部分となって来た.
外科手術には,多かれ少なかれ手術の後遺症があり,病気そのものの後遺症とともに大きな問題である.しかし,病気によってはむしろ手術により発病前よりも脳機能が改善することもあるので,疾患ごとにその治療法を簡単に述べて,脳機能の予後と改善の期待性について概観したい.
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