Japanese
English
特集 評価
失語症の評価―理学療法士,作業療法士に必要な知識と実際
Assessment of Aphasia-Knowledges for Physical and Occupational Therapists
熊倉 勇美
1
,
田中 春美
1
Isami KUMAKURA
1
,
Harumi TANAKA
1
1有馬温泉病院
1Arima Onsen Hospital.
pp.543-548
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102681
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
与えられたテーマは,「PT・OTに必要な言語障害テストの知識と実際」であったが,原則として,PT・OTが言語障害の評価を行うことは,まずないはずである.言語障害の患者(児)を評価し,訓練,治療を行う専門職として,言語治療士(ST)が存在するからである.
故に,テーマは,STが行った評価を,PT・OTはどう読めば良いか.つまり,PT・OTが,STから得る情報を,より良く理解する上で必要な言語障害テストの知識と実際と考えることにしたい.
とはいえ,現状では,STの数が不足しているのでSTから情報を得たい,知りたいと思っても,それが不可能な場合が多い.
その対策の一つとして,あらかじめPT・OTの養成課程の中で,言語障害・言語治療の基礎的な事柄を学んでおくことが求められるが,果してそれはどれほど実施されているだろうか.
近畿地方(大阪,京都,滋賀,奈良,三重,和歌山,兵庫)を例にあげて調べてみると,PTの養成校は,国公私立合わせて5校,OTは2校あるが,教育カリキュラムの中で正式に言語障害,言語治療の講義を取り入れているところは,現在までのところ皆無である注1).
PT・OTサイドのカリキュラムの事情もさることながらSTの学問体系の確立が不十分であること,身分法も出来ていない現状からみれば当然のことかも知れない.
現状はともかく,本稿では言語障害の中から,失語症を取り上げ,筆者らが行っている評価の一部を,実際的・具体的に紹介したい.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.