特集 耳鼻咽喉科領域のセラピストとエンジニア―ST,OT,PT,CE,MT―
耳鼻咽喉科と各医療専門職
言語聴覚士 失語症
石川 幸伸
1
Yukinobu Ishikawa
1
1福岡国際医療福祉大学医療学部言語聴覚学科
キーワード:
言語聴覚士
,
失語症
,
会話支援
Keyword:
言語聴覚士
,
失語症
,
会話支援
pp.607-609
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001100
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
失語症は,大脳の言語野の病変によって生じる後天的な言語機能の障害である。聴覚,視覚の損傷による言語入力や産生の障害とは異なる。原因疾患としては,脳血管疾患,頭部外傷,中枢神経の感染症,脳腫瘍や変性疾患があげられる。近年,進行性の局所脳病変に起因する原発性進行性失語が注目されている。Berthier(2005)は,脳卒中患者の急性期における失語症の合併率は21~38%と報告している1)。わが国における脳血管疾患が原因で生じる失語症患者数ついて,佐藤(2020)2)は,全国の脳血管疾患の総患者数の推計,Berthier(2005),Ferroら(1999)3)の報告を基に25万4220人ほどであると概算している。脳血管疾患のみの概算であるため,上記した他の原因疾患を含めるとさらに多くの患者がいると予測できる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.