Japanese
English
特集 教育
理学療法士・作業療法士における人間学
Professional Ethics of Physical Therapist and Occupational Therapist
砂原 茂一
1
Shigeichi SUNAHARA
1
1国立療養所東京病院
1Tokyo National Chest Hospital.
pp.233-237
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102124
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.理学療法士・作業療法士と患者との距離
医療というのは結局人間の営みである.医療電子工学などが発達し高度の機械化が進むと当然人間疎外が起こるが,それだけにかえって一層医療関係者の人間性が求められることになる.医師については医科大学の入学試験の段階からいろいろ問題があるし,卒業後の生きざまについても世論の批判にさらされている.そこで,たんに学科試験の成績だけに頼るのではなしに,医師としての素質・適性を判断して入学を許可すべきであるという意見も強い,アメリカなどは教育の体系は違うけれども医学部についでは人物考査を重んじる傾向が相当に強いと考えていいだろう・
看護学校の面接試験でも“どうも看護婦に向かないのではないか”というので問題になる人が例年1人や2人はいる.理学療法士(以下PTと略)や作業療法士(以下OTと略)は歴史も浅く,今のところ医療関係職種中の少数民族なので世論の批判にさらされるということもほとんどないし,適性についての議論もあまり聞かれない.最近内外でやかましい問題になっている医事紛争についても医師や看護婦のようにその矢面に立つ場合が少なく,まれにPTが訓練中に患者の脚を折って問題になる位のむのである.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.