Japanese
English
研究と報告
Strain gauge法による股関節外転筋筋力の検討―健常者例について
Strength of Hip Abductor Muscle in Normal Subjects
野々垣 嘉男
1
,
田橋 省司
1
,
林 寛
2
,
辻井 洋一郎
3
,
小島 泉
3
,
蟹江 良一
4
Yoshio NONOGAKI
1
,
Shoji TABASHI
1
1名古屋市立大学病院
2羽島市民病院
3国立療養所東名古屋病院
4名古屋市立大学医学部
1Nagoya City University Hospital.
pp.255-260
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102617
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
理学療法において歩行障害や股関節疾患を取り扱う機会は多い,一方,股関節外転筋筋力は歩行,ADLなどに多く関与するので,その際に筋力評価は診断,治療効果,予後の判定などに欠くことが出来ない.しかし,筋力を客観的に測定することは非常に難しい.従来より広く施行されているDaniels法1)による徒手筋力テストは,被検者の主観的な粗大段階付けに頼っている.そこでスプリング力量計2)(Spring dynamometer),ストレンゲージ3)(Strain gauge),Cybex machine4)などによる方法で,筋力をより客観的に表示しようとする努力が払われている.
われわれも同様の必要性により,“はがね板”歪みによる股関節外転筋力(等尺性収縮)測定装置を考案し検討してきた5).この装置作製にあたっては次の点に考慮した.
1)操作,処理が簡便で正確かつ再現性が可能である.
2)拘縮のある症例でも測定が出来ること.
3)測定が左右同時に,また,片側でも測定が出来ること.
4)安楽な背臥位姿勢で測定が出来ること.
本装置による測定に当っては,装置の信頼性を確認し,健常者の等尺性収縮による股関節外転筋力と静的作業量を測定算出したので,若干の考察を加え報告する.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.