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第1土曜特集 ARDSの治療戦略――個別化診療への道筋
肺傷害のメカニズムと人工呼吸管理
【現在の診療ガイドラインおよびその根拠となる呼吸生理学とエビデンス】
Stress,Strainと肺保護換気
Stress, strain and lung protective ventilation
伊東 幸恵
1
,
竹内 宗之
1,2,3
Yukie ITO
1
,
Muneyuki TAKEUCHI
1,2,3
1大阪母子医療センター集中治療科
2国立循環器病研究センター集中治療科
3奈良総合医療センター集中治療科
キーワード:
stress
,
strain
,
経肺圧
,
driving pressure(DP)
Keyword:
stress
,
strain
,
経肺圧
,
driving pressure(DP)
pp.46-50
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2860146
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ARDS傷害肺ではわずかな正常領域であるbaby lungが換気を担う.Baby lung部のコンプライアンスは,正常肺と同じであるため,コンプライアンスはbaby lungサイズ(FRC)を表す.Baby lungにかかる圧をstress(経肺圧),baby lungがstressによって元の形からどの程度変形したかをstrainといい,呼吸器系では一回換気量/FRCとなる.Driving pressure(DP)は一回換気量/コンプライアンスであり,コンプライアンスはFRCと比例するため,DPは一回換気量をbaby lungサイズで標準化した値となり,strainそのものであるととらえることができる.stress,strainの概念は肺保護管理のうえで重要であり,DP,特に経肺圧のDPは,baby lungの変形の程度であるstrainを,より臨床レベルでわかりやすく示した指標といえる.
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