Japanese
English
報告
股関節内転制限および外転筋力がデュシャンヌ跛行に及ぼす影響について
The influence of hip adduction restrictions and hip abductor torque on Duchenne limping.
熊谷 匡晃
1
,
岸田 敏嗣
2
,
林 典雄
3
,
稲田 均
4
Tadaaki Kumagai
1
1三重県厚生連松阪中央総合病院リハビリテーションセンター
2朝日が丘整形外科リハビリテーション科
3中部学院大学リハビリテーション学部理学療法学科
4三重県厚生連鈴鹿中央総合病院整形外科
キーワード:
デュシャンヌ跛行
,
拘縮
,
股関節内転制限
Keyword:
デュシャンヌ跛行
,
拘縮
,
股関節内転制限
pp.87-91
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200103
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要旨:[目的]本研究の目的は,股関節内転制限および外転筋力がデュシャンヌ跛行に及ぼす影響を明らかにすることである.[方法]大腿骨近位部骨折および変形性股関節症に対し手術が施行され,転院または退院時に杖なし歩行が可能となった34名を対象とした.対象を正常歩行群(N群)とデュシャンヌ跛行群(D群)の2群に分け,両群における股関節外転筋力,股関節内転角度,股関節内転角度の違いによるデュシャンヌ跛行出現率,および股関節内転角度と股関節外転筋力の関係を検討した.[結果]股関節外転筋力は,両群において有意差は認められなかった.股関節内転角度は,N群で有意に内転域が大きかった.股関節内転角度の違いによるデュシャンヌ跛行出現率は,内転域の増大とともに跛行出現率が有意に低下した.[考察]股関節内転角度の減少がデュシャンヌ跛行の出現に影響を及ぼすことが明らかとなった.デュシャンヌ跛行の原因を股関節内転制限の観点からみると,体幹を患側に傾けることは,骨盤が外方移動できない状態を体幹の側屈で相殺しているという反応と解釈した.
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