Japanese
English
講座
運動生理学 5.運動と呼吸
Exercise Physiology 5. Exercise and Respiration
坪井 實
1
Minoru TSUBOI
1
1東京薬科大学第二薬理学教室
1Department of Pharmacology Tokyo College of Pharmacy.
pp.949-957
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102520
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
生体は栄養素の酸化によって,生活に必要なエネルギーを獲得する.したがって生体は生きている限り酸素を外界から取り入れ,体内で産生された二酸化炭素を外界に排出しなければならない.この現象を呼吸といい,これに関与する器官を呼吸器という.呼吸器に属する器官は外鼻,鼻腔,咽頭,喉頭,気管,気管支,肺(肺胞)などである.そのうちで,ガス交換が行われるのは肺胞で,肺胞に達するまでの諸器官は,ただ空気の導入路となっているだけであるから,一括して気道と呼ばれる.呼吸運動によって吸入された空気は,気道を通って肺胞に送られる.肺胞は0.1~0.2mmくらいの半球形の袋で,内面の呼吸上皮は上皮細胞と核のない薄い板状の膜(無核板)からなっている.上皮の外を毛細管が網の目のように取りかこんでいて,血液と肺胞内の空気との間でガス交換が行われる.肺胞壁には弾性線維がよく発達しているので,吸気の際には著しくふくれる.肺胞の数は300万で,全表面積を合計すると70m2に達する.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.