特集 教育
<随想>私の教育信条
臨床教育の立場から
木村 信子
1
1東京大学医学部付属病院
pp.439
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102385
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「教育信条」という重々しいことばに圧倒されためらいをも感じているが,臨床実習にきている学生に今,何を伝えようと必死になっているのか,そして何が必死にさせているかを,実習指導の正に渦中にいる自分をつき離して考えてみようと思う.
2ヵ月という限られた実翌期間内で学生(もちろん指導者もであるが)は,「何か」を必ず学びとっていくことは自明の理である.何故なら,どんな状況下でも学びがあり,学びのない人間はいないからである.過去10年臨床実習を担当してきて,実習終了時にほとんどの学生が,「大変勉強にたりました.良い経験をしました.ありがとうございました.」と言ってくれる.こちらも緊張がとけホッとすると共に,「本当は何が最も勉強になったんだろうか」という思いが頭を持ち上げてくる.そんなことを繰り返してきた.学生が何を学び取ろうとして実習に臨み,何を学んでいったかということは大変関心があり気になるところである.
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