Japanese
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特集 老人
老人患者の心理的問題
Psychological Problems in Aged Hemiplegics
藤本 利明
1
Toshiaki FUJIMOTO
1
1東京都養育院付属病院心理士
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital.
pp.455-461
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102183
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Ⅰ.はじめに
本稿では,主として脳血管障害について,老人患者の心理的問題を概観してゆきたい.
身体障害者(児)の心理に関しては,障害の受容やリハビリテーション・プログラムとの関連を扱ったものにWright1)の労作がある.脳血管障害患者の心理面・行動変化については,Licht2),Ullman3)の著述がある.また,近年,老年心理学の発展にともない,老年期をライフ・サイクルの一段階として光を当てようとする潮流がある(Birren,Schaie4)).
老人患者の心理的問題は,以上の身体障害,脳血管障害,老年心理を含めた,総合的なアプローチを必要とするもので,単にモチベーションの問題としてのみ考えるべきではない.以下では,心理的問題として,情緒的問題と知的機能低下を取り上げ,さらに,身体機能と心理的問題との関連についても考えてみたい.
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