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講座
CTスキャン 4.診断Ⅱ―脳疾患のCT像
Diagnosis by Computed Tomography (IV). Various Brain Diseases
山田 英夫
1
Hideo YAMADA
1
1東京都養育院付属病院核医学放射線部
1The Yoikuin Tokyo Metropolitan Hospital.
pp.881-886
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102058
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はじめに
前回は脳CT像を読影する際に,その基礎となる正常CT像を中心として,もし病巣が存在したらそれは解剖学的にどの部位にあると診断したらよいかを考えて見た.そのためには横断像における諸構造の表われ方,とくに脳室系や脳槽との関係において諸構造を理解することの重要性を述べて来た.そうすることによって,断層面の角度が多少ずれていても病巣の局在部位の診断がある程度可能となる.
今回は病巣の質的診断,すなわち,脳腫瘍はどのような特徴を有するか,脳出血と脳梗寒との鑑別診断はどうかなどについて述べることにする.
CT検査にて診断し得る頭部の疾患は
1.脳腫瘍:天幕上および天幕下
2.脳血管障害:脳出血,脳梗塞,梗塞性出血
3.脳血管病変:脳動脈瘤,脳動静脈奇形およびこれに伴うクモ膜下出血,脳内出血
4.脳萎縮
5.水頭症
6.外傷:硬膜外出血,硬膜下出血,脳挫傷,出血
7.炎症性病変:脳膿瘍,脳炎,髄膜疾患
8.先天性奇形
9.眼窩の病変
10.副鼻腔の病変
11.頭蓋骨の病変
などである.これらのうち主なものについて解説したい.
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