The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 13, Issue 10
(October 1979)
Japanese
English
講座
CTスキャン 2.CTスキャンの原理
Basic Principle of X-ray Computed Tomography
飯沼 武
1
Takesi IINUMA
1
1放射線医学総合研究所臨床研究部
1National Institute of Radiological Sciences.
pp.731-736
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102022
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1.はじめに
CTスキャンはコンピュータ断層撮影装置とも言われており,英語のcomputed tomographyのCTをとったものである.通常はX線の透週を利用しているので,XCTとも略されている.CTにはXCTの他,放射性同位元素(RI)の体内分布を断面として計測しようとするRIの放射型CT(RCT)という装置などもある.
本稿ではXCTの原理に限って解説することとしよう.XCTの発明は英国のEMI社のG.N. Hounsfieldによってなされたもので,彼の最初の論文は1973年に発表されている1).実はEMI社の頭部専用XCT装置は1972年に実際の臨床に導入され,直ちにそれが脳神経放射線学に革命的な衝撃をもたらした2).その後,XCTは米国を中心に爆発的な勢いで普及している.
我国においても,1975年に頭部XCT装置の第1号機が導入されて以来,自動車賠償保険による購入,医療機器の緊急輸入などの外的環境にも助けられて急速に普及し4年後の現在,すでに500台位の装置が稼動していると言われている.我国は米国に次いで,世界第2位のXCTの保有国であり,これは開発の本家,イギリスの台数をはるかに越えている.我国は脳卒中などの脳疾患が非常に多いとはいえ,装置の価格が1億ないし2億円という極めて高価であることを考えると,その導入のスピードが如何に急激であるかが判ろう.
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