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特集 老年医学の基礎とリハビリテーション
ソーシャルワークの立場からみた老人リハビリテーションの問題点
The Problems of Geriatric Rehabilitation from the View Point of Social Work
吉沢 勲
1,2
Isao YOSHIZAWA
1,2
1日本老年社会科学会
2神奈川県立老人福祉センター
1Japan Socio-Gerontological Society.
pp.760-764
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102030
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はじめに
「老人達のリハビリの成績が上がると,それに反比例するように家族の面会がなくなるんですよ.結局,家族は治されちゃたまらないと思ってるんですねえ……」.これは,昨年A新聞社主催の講習会で,わが国の老人リハビリの権威者田中多聞博士が,怒りを抑えた愁い顔でポツリともらされた言葉でした.
編集部から,何を間違えられたのか門外漢の筆者に原稿のご依頼がありました.筆者は精神病院や老人福祉センターで,いろんな老人達とつきあってきた体験しかありません.むろん学術的な論文など書ける人間でもありません.本誌には,すぐれたPT・OT,ワーカーの方方が,立派な論文を書いておられます.この難題に対し,筆者の出来ることはこんなところでしょう.つまり,16年間老人達とつきあってきた体験から,老人のリハビリ場面で,老人達が悩んだり,こう理解してほしいと思う点を,老人達の口をかりてお話しすることです.「たぶん老人達はこう思い,こう悩んでいるだろう」という架空の物語―実際には現実の話もありますが―をお話したいと思います.あるいはピンボケの話であったり,問題点としてお分かりになったり,問題点などない位に立派におやりになっているかも知れません.
この小文が,日常のお仕事に何らかのお役に立てますれば幸いと存じます.
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