Japanese
English
特集 老年医学の基礎とリハビリテーション
老年期の精神障害
Psychiatric Disorders in Old Age
柄沢 昭秀
1
Akihide KARASAWA
1
1東京都老人総合研究所 心理・精神医学部
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
pp.754-759
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102029
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はじめに
何歳から老年期,というほどはっきりした区切りがあるわけではないが,ふつうは65歳を境にしてそれ以後を老年期と呼んでいる.全般的な心身機能の衰えが目立ってくる時期であるが,この時期には精神障害の出現率もとくに高い.老年期に見られる精神障害の中で最も多いのは,老年期に特有のいわゆる老化性痴呆疾患であるが,そのほかうつ病や神経症,妄想疾患なども稀ではない.すなわち,老年期に特有の疾患もあればそうでないものもあり,老化と関係が深い疾患もあればそうでないものもある.また老年期に初めて発病したという場合もあれば若い頃に発病して治療しないまま老年期に達したとか老年期に再発したという場合もある.これらを含め老年期にはほとんどすべての精神障害が見られる.
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