Japanese
English
特集 脊髄損傷自立への側面
脊髄損傷の自己管理
Self-Management of the Spinal Cord Injured
稲垣 稔
1
,
稲垣 かず子
1
,
竹内 義享
1
,
為実 芳弘
1
,
豆鞘 冨美江
1
Minoru INAGAKI
1
1信原病院
1Nobuhara Hospital.
pp.1003-1011
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101785
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はじめに
脊髄損傷(以下脊損と略す)患者の自己管理の良不良は合併症の予防と残存機能の維持のいかんによって決まると言える.
受傷当時,医療が優先するため患者は当然受動的で急性期をすぎ,ある程度の身の周りの動作ができる時期から自己管理は始まる.
しかしそれまでに我々としては合併症に対する認識と予防の必要性について十分説明しておき,残存している機能を最大限に活用できる訓練プログラムやADLに役立つ機能訓練を通して,退院後の問題について考え,実行することができるよう指導する必要がある.しかし現実では,リハビリテーション・コースに乗り,社会復帰出来たとしてもその後の在宅医療や行政上の手厚い指導がとられることが少なく,患者任かせであることが多い.脊損患者の生涯にわたっての肉体的・精神的ハンディーは測り知れないものである.これを克服して,生活して行くためには患者自身自己管理を必然的に行なっているに違いない.
この問題を少しでも理解するため我々は脊損患者に対して,アンケート調査を行なってみた.この結果をもとに脊損患者の自己管理について,各項目に分け分析してみたいと思う.実態の把握にはほど遠いが私見を加えて述べてみよう.
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