特集 脊髄損傷自立への側面
座談会/脊髄損傷者と社会環境
博田 節夫
1
,
杉本 勲業
2
,
辰巳 成之
3
,
多胡 進
4
,
大喜多 潤
5
1国立大阪南病院理学診療科
2琴の浦リハビリテーションセンタ
3兵庫県立身障者職業訓練校
4大阪市立大学工学部
5兵庫県リハビリテーションセンター
pp.1016-1028
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101787
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障害等級では重度の1級2級にランクづけされる大半の者が車椅子生活を余儀なくされているものの,職業リハ面から見ても,移動の不自由さを克服すれば両上肢が健在であり,中途障害者がほとんどで教育上の問題も少なく,社会経験が豊富であるなど有利な面が多い.また社会環境も都市部がぽつぽつと整備されつつあり,増々生活圏の拡大がはかられている、加えて車文明も彼らの行動範囲を拡げるのに寄与している.最近各地方に身障者用のスポーツ施設が設立され地域での交流が盛んになり,全国的規模で交流が持たれるように一部ではなってきている.
医療サイドも広く地道な研究や治療成果をあげているが脊損者をとりまく社会環境が近年めざましく変わりつつあり,我々PT,OTの治療面まで深くかかわってきている.
そこで今回,各界の代表者である先生方に集まっていただき,それぞれ専門の立場からの御意見をもとに話し合い,我々PT,OTの今後の治療活動に役立てたいと思っている.(大喜多)
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