Japanese
English
原著
アナフィラクトイド紫斑の1例—第XIII因子製剤の投与が奏効した症例
A Case of Anaphylactoid Purpura: Responsive to Factor XIII Concentrate
戸田 道子
1
,
山崎 雄一郎
1
,
富田 幸治
2
,
稲垣 稔
2
Michiko TODA
1
,
Yuichiro YAMAZAKI
1
,
Koji TOMITA
2
,
Minoru INAGAKI
2
1荻窪病院皮膚科
2慶応義塾大学医学部小児科教室
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital
2Department of Pediatrics, Keio University School of Medicine
pp.325-329
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203021
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53歳男子,両足踵部に有痛性の浮腫性紅斑〜血疱,四肢に出血性小丘疹を生じ,経過中に腹部に移動性の激痛を伴ったSchönlein-Henoch型アナフィラクトイド紫斑の1例.血中の血液凝固第XIII因子が低下し,同製剤の投与にて,腹痛のすみやかな消失,やや遅れて紫斑の軽快をみた.本疾患における同製剤の作用機序は不明の点が多いが,本例では紫斑に対してよりは腹部症状および炎症の強い紅斑部に対して速効性がみられた.さらに多数の使用例を重ねて,その作用機序,有効性について検討を必要とすると思われた.
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