The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 12, Issue 10
(October 1978)
Japanese
English
特集 ダウン症と理学療法・作業療法
ダウン症幼児の運動発達の促進―理学療法士の立場から
Physical Therapy for Motor Development of Children with Down's Syndrome
佐々木 直美
1
Naomi SASAKI
1
1南小倉病院
1Minamikokura Hospital.
pp.681-687
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101769
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Ⅰ.はじめに
Down症候群(以下DSとする)は,Langdow Down(1866)が蒙古症と名付け,Lejenne・他(1959)により染色体異常が確認され,DSの研究に光明を与えたのは有名である.その発生率は,日本において700人に1人,外国では600人に1人とも報告されている.医療の進歩から,生命の予後は昔日のそれとは異なり極めて良好となってきたのも事実である.54年度から,心身障害児皆就学制度の実施を控え,DS児の早期訓練の声がきかれる昨今,よく知られながら,理学療法(以下PTとする)や作業療法(以下OTとする)の観点から忘れられていたのも,DS児であろう.古くは,小鳩会の発足を機に,ごく一部の関与者による業績もあるが,時には親子心中の記事に遭遇するのも衆知の通りである.稀な発生とは言え,現実には障害児問題の中で,PTやOTの期待も増す今日と思われる.ここではDS児の運動発達を中心にその特性の幾つかから養育・訓練の若干の経験をもとに,問題提起のつもりで記し,今後の実践・検討を重ねたい.
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