特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part2 骨転移は誰が、どう診ればよいのか
各職種の役割と現場を変える積極的なかかわり方
理学療法士の立場から
荒田 雄人
1
1聖路加国際病院リハビリテーション科
pp.418
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200328
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チーム介入前の課題
実際に患者の体を動かし、立ち、歩いてもらう立場にあるのは、理学療法士であることが多い。骨関連事象(SRE)を起こさないためにも、骨転移に関する情報を少しでも多く得たいが、多くの場合指示はPC入力のみで行なわれ、直接のやりとりは少なかった。また、骨転移があることによる制限や許容範囲を聞いても、「併診している整形外科に聞いてください」と返されることも多くあった。結果、安静度の決定について誰に相談してよいのかわからず、恐怖心をもちながらリハビリ診療に当たることが珍しくなかった。
また、患者のゴール設定についても、共有できずに孤立してしまうことがあった。現在の治療と予後がわからないまま骨転移の問題だけに捉われ、まだ予後が見込める患者に対し消極的な介入にとどまるなど、リハビリの内容にも問題を生じさせた。一方、急に追加のリハビリ指示が出され、「ここまでできるように」というゴールを突如課されることもあった。
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