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講座
教育学シリーズⅤ 教育心理学(1)―教育心理学における人間観
Structure-Model Applied to the Behavior of Man in Educational Psychology
松本 憲
1
Akira MATUMOTO
1
1慶応大学文学部
1Keio University.
pp.497-502
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101721
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Ⅰ.緊張関係の心理学
私は以前PT,OT研修のお手伝いをしたことがある.今,教育心理学紹介の筆をとろうとすると,その時の講義時間や休憩時間に指導者の方々から教育・訓練上の悩みや問題をどう解決すべきかという質問をうけてたじたじになったことを思い出す.また,その時,研修主催者の方々と交わしたPT,OT教育上の問題についての会話も耳に残っている.そのような記憶とこのシリーズⅠの理学療法教育論1)の主張を念頭におきながら,教育心理学における人間のとらえ方や研究法などの大枠を考えてみようと思う.そういうわけで,理学療法,作業療法論にとっては,悪女の深情(ふかなさけ)のような話しはこびになるかもしれない.
さて,教育心理学についての大方の考え方は,教育実践に対する心理学の応用部門であるとか教育のための技術学だというものがめだつ.しかしこうした教育心理学のとらえ方では,重要な点が不問にふされがちである.つまり,それに応用され,技術が用いられるべき教育とは一休何かという問題が残されてくるのである.教育心理学は応用心理学,技術学だというとき,このとらえ方ではいかにも落着きがわるい.ここら当りの問題を考えることから話をはじめることにする.
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