Japanese
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講座
失語症―3.失語症者の訓練
Speech Rehabilitation of Aphasics
赤坂 謙
1
Ken AKASAKA
1
1太田綜合病院附属熱海総合病院 コミニケーション クリニック 言語療法
1Communication Clinic, Atami General Hospital.
pp.503-507
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101722
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Ⅰ.はじめに
失語症の研究と失語症者のことばの訓練を中心としたリハビリテーションサービスは,わが国ではかなり前から行なわれている.太田綜合病院附属熱海総合病院コミュニケーション クリニックは昭和39年より言語障害者,主として失語症者の訓練を行なってきている.その経験に基づいて,失語症者の訓練について述べる.
失語症となった人は「自分が伝えたいことを言えない」「人が言っていることを理解できない」「読むことに困る」「書くことに困る」ということばの障害をもっている.しかし,失語症者は単なることばの障害のみにとどまらず,それより生ずる二次的障害に困ることもある.すなわち,心理的問題,家庭内問題,経済的問題,そして,社会的問題があり,また,脳損傷による身体障害も大きな問題である.したがって,失語症者の処遇には,ことばの障害のためのミクロの処遇と,他の問題に対処するためのマクロの処遇とが必要である.後者のためには,医師,看護婦,理学療法士,作業療法士,“臨床心理士”,そして,“ソーシャルワーカー”など(以下,MD,Nu,PT,OT,Psy,SWと略す.)と,チームを組んで対処する必要がある.
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