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連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第23回
ベーチェット病
Behçet's Disease
豊口 光子
1
Mitsuko Toyoguchi
1
1東京女子医科大学八千代医療センター眼科
pp.226-234
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212590
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疾患の概要
ベーチェット病は,ぶどう膜炎を主体とした眼炎症,口腔内アフタ性潰瘍,皮膚症状(結節性紅斑,毛囊炎様皮疹など),外陰部潰瘍の4つを主症状とした難病であり,厚生労働省の認定する特定疾患である。2002年以前の統計では,ぶどう膜炎の原因疾患としての1位の疾患であったが,2002年のぶどう膜炎初診患者の全国調査では第3位(6.2%)となり,平均発症年齢の上昇,症状の軽症化などの傾向が示されている1)。発症年齢は10代後半〜20代前半と若年で発症し,ぶどう膜炎は男性が多く女性の約2倍の発症率である。特に難治性ぶどう膜炎は若年男性に多くみられる。
発作抑制治療として,コルヒチン,シクロスポリン(免疫抑制薬)に次いでインフリキシマブ(レミケード®),アダリムマブ(ヒュミラ®)などの抗腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)α抗体製剤が承認され高い効果を上げており治療は確立されてきている。しかし,ベーチェット病の診断がつかなければこれらの治療を導入することはできない。ベーチェット病は症候群であるため,ぶどう膜炎の特徴を評価することが重要となってくる。
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