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特集 筋萎縮性疾患
先天性筋ジストロフィーの運動療法
Therapeutic Exercise for Patients with Congenital Muscular Dystrophy
菊地 延子
1
Nobuko KIKUCHI
1
1東京大学医学部病院
1University of Tokyo Hospital
pp.383-391
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101693
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Ⅰ.はじめに
先天性筋ジストロフィー(Congenital Muscular Dystrophy,CMD,福山型)は原因不明の小児筋疾患として19世紀末より報告があり,以後,福山1),瀬川ら2,3)による本疾患の発表がなされている.外国例と比較してわが国に於ては決して稀ではない独立疾患単位として近年注目されてきている.先天性ミオパチーの中にはCentral core disease,nemaline myopathy等が含まれ,知的面では問題も少いとされているが,例外として本疾患は高度の知能障害,痙攣素因,早期よりの関節拘縮,筋萎縮等を有することがリハのプログラムをすすめて行く上で大きな問題となる.従って運動療法を行うにあたっては精神薄弱(MRと略す)であることを十分に考慮に入れ,遊びをtoolsとして活用し,知的及び運動発達を促しつつ,ROM exerciseや筋力増強,維持訓練を図る必要がある.
本症児のリハの試みは本院に於ては1966年11月頃より開始され,1977年12月末日迄の患者数は50例(♂23,♀27人)にのぼっている.初診時年齢は10カ月~7歳迄である.今回はこれらの症例の調査から進行性に運動機能の低下していく本症児の運動機能の発達と運動療法の実際の方法等について述べる.
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