Case Presentations
先天性筋ジストロフィーに対する理学療法
塚本 利昭
1
,
大竹 進
2
Tsukamoto Toshiaki
1
1弘前大学医学部附属病院理学療法部
2国立療養所岩木病院整形外科
pp.298-303
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105058
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Ⅰはじめに
進行性筋疾患である先天性筋ジストロフィー(congenital muscular dystrophy;CMD)は常染色体劣性遺伝形式をとり1),小児期に発症する筋ジストロフィーのなかでは,デュシャンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy;DMD)についで多いと考えられており,CMDの発生頻度は10万人当たり6.2~11.9人と推定されている2).
CMDは出生時または生後数か月以内に,筋緊張低下,筋力低下で気づかれ,早期より股関節,膝関節,指骨間関節などに拘縮が出現する.多くの例が独歩不能であり,日常生活動作の独立性も少ないといわれている3).CMDに対する理学療法は基本的にはDMDに準じた考え方で行われるが,幼少時からのアプローチとなるため,運動の発達,身体発育および病勢の進展を考慮した理学療法が必要となる.
本稿では,臨床的に知能障害を伴わないものとされる非福山型CMD4)症例に対する理学療法経験(2歳2か月~8歳1か月)を,在宅および就学への取り組みを含めて紹介する.
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