The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 11, Issue 10
(October 1977)
Japanese
English
展望
臨床におけることば〈のリスク〉―哲学的リハビリテーション人間学の観点から
〈Risk Factors of〉Sporken Language in Clinical Practice
奈良 勲
1
Isao NARA
1
1有馬温泉病院
1Arima Onsen Hospital.
pp.751-758
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101565
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はじめに
昨年の暮,香川士会の研究会で「臨床におけることば<のリスク>」というテーマで話すようにとの依頼を受けた.
われわれは臨床の場で種々の内容について患者とことばを交わす.そこで,われわれが使うことばが無意識に患者の気持を傷つけたり,失望させたり,そして患者を自殺に追い込むことのないようにするためには,われわれはことばをどう使い,どう注意すればよいのかということが,話の内容になるようにとのことであった.
私がこの依頼を引受けたのは,ここ数年,私がリハビリテーション学院で運動療法を担当していて,講義の導入の一部として,患者の取扱いに関する留意点,基本技術に時間を費やしていたからである.患者の取扱いの中で,“ことばによる患者の取扱い”という点にも触れていたわけである.
さて,私は「臨床におけることば<のリスク>」というテーマで話すにあたり,私なりに種々の思索をめぐらしてみたので,それらの要点をこの小論の中で論じてみたい.
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