Japanese
English
研究と報告
自己像視の人間学的構造
An Anthropological Aproach to The Heautoscopia
石福 恒雄
1,2
Tsuneo Ishifuku
1,2
1三楽病院神経科
2東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsych., Sanraku Hospital
2Dept. of Neuropsych., Tokyo Medical and Dental Univ.
pp.465-470
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201345
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以上著者は分裂病者における自己像視の動態を現象学的に考察し,そこに,1.被害的世界での上昇,2.Paradoxalな死,3.共人間的局面をそなえた,あるいは立場を得たすがたのなかでの上昇を経て,4.消退することを明らかにした。
ところで,自分のすがたを見るという知覚のなかで,見られる自分は,見る自分と異なつてくる。いいかえれば,自分を見るという身体の運動のなかで,自己像は光学的な「ありのまま性」を失う。しかしそれにもかかわらず患者はこのすがたを自分のものと体験する。
著者はこのような,そのときの自己とはへだたつた自分をわがものにしようとする身体の運動のなかに,自己像視の自己実現的運動をみいだし,これに人間学的考察を加えた。
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