連載 ケアと現代・2
母性と人間学
平野 かよ子
1
,
岸 良範
2
,
佐藤 俊一
3
1日本赤十字看護大学・地域看護学
2埼玉医科大学短期大学
3東京白十字病院医事課
pp.162-166
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900513
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初回は,ケアにおいて人が異なることを体験し,異なることを受け入れていく過程の大切さを述べた。今回は,異なることの体験のわれわれにとってもつ意味を,具体的に妊娠,育児の体験を通じて考えてみたい。妊娠・出産・育児のプロセスとは,母親が自分の身体を通して痛みを子どもと分かち合いながら,異なる存在と共に生き,自分自身と子どもと出会っていく週程である。
そこには,母性のことを始めとしてケアの原点となる主題がたくさんある。また,ケアする人間が置かれでいる社会とのかかわり,ケアする態度(身につけた学問の実践)が自分と対象者に適切なことかの検証の機会となるだろう。
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