特集 障害受容と援助法
<随想>
訓練は孤独なり
松村 美代子
pp.742
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101563
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“車いすどこに停めても春の風”
加茂川堤の水の滴るような,鮮やかで美しい緑の樹樹の下で,私はこんな句を吟じながら車いすの身を休ませていた.
昭和四十年,東京都内で追突事故を受け,頸髄損傷を負って,早十二年の月日が過ぎた.その間入院生活が七年,自宅療養が五年,十年一昔がもうとっくに過ぎている.思いもかけなかった交通事故,それも追突という不可抗力の事故で,私は一瞬にして,予期もしなかった人生を余儀なくさせられる身となった.
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