連載 愛か不安か・4
「孤独で虚しい」と相談されたら
春日 武彦
1
1成仁病院
pp.190-194
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200211
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無人島の孤独と趣味としての孤独
ある人が、「わたしは孤独なんです。だから人生が虚しくてたまりません」と訴えるのである。かなり思い詰めた表情で、声にも切迫感がこもり、せめてこのつらさをわかってほしいといった気持ちが伝わってくるのだった。
この人にとって、孤独は根源的な部分で心を圧迫してくるようであった。苦痛というよりも、自分の存在自体が否定されているかのようなニュアンスが漂っていた。この人は外来通院の患者であったが、「じゃあ、デイケアのメンバーになったらどうですか」と返答すれば済むような話とは思えなかった。
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