Japanese
English
特集 職業前評価と就労
精神分裂病者の作業能力と就労
On the Possibilities of Occupational Rehabilitation in Schizophrenics
中川 昭三
1
,
内匠 保子
1
Shouzou NAKAGAWA
1
1藍野病院
1AINO Hospital.
pp.673-677
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101546
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Ⅰ.はじめに
精神障害者の社会復帰が困難なことについては周知の如くであるが,そのなかでも精神分裂病者の社会復帰には多くの問題点があり患者達の社会復帰をめざす私達OTRの役割には極めて重要なものがある.それは,精神分裂病についての病因も治療法も確立されておらず,分裂病のもつ特殊性ゆえに再発などの問題が多く,社会復帰をより困難なものにしているためと考えられる.
家族の受け入れ態勢の悪さ,就職口の少なさ,復職の困難さ,世間一般の偏見など,患者達の社会復帰をはばむ壁をあげればきりがないが,そうしたなかでも,家族の一員としてあるいは一社会人として社会に適応しうる力を回復させ,再出発していく援助を続けなければならない.
特に就労という難問題を前にする時,精神医学的課題の他に,いろいろな社会的課題も加味されてくる.
OTという職域のなかで,就労という目標を達成するためにOTRが関与していく範囲は,地域医療体制・病院形態などにより,それぞれ異なると思うが,今回は当院で具体的にOTを経過し,現在就労を続けている2例をあげ,作業能力と就労との関係を考えてみたい.
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